3.03.2013

チベット(ラサ)


たびログ: ☆☆☆☆ 4.0

都市: ラサ
期間: 2012年5月2日~5日
目的: 暇を持て余す朕が暇を持て余す神々をたずねてみる

総括: 神々は偉大でした












【1.事前準備・情報収集】

・ガイドブック
地球の歩き方

まぁ持ってても良いといった程度。
チラッと見たが、WEBで収集できる情報と大差なかったので、買わなかった。

Lonely Planet Tibet(英語版)

欧米人になぜか大人気なチベット。だけあって、かなり内容が充実している。必携。
文化的背景や、仏教について、などかなり詳しい。
けど、そこらへんはテキトーに読み飛ばす感じでもOK(英語なので読むのが正直苦痛)
個人的には、Lonely Planet紙版は基本的に重いので、Kindle版が良い。安いし。


・現地事情
でもでも、行くからには、少しはチベット特殊事情を押さえておきたい。
チベット仏教のこと、中国のこと、ダライラマのことなどなど。。

でもお堅いマジメ系の”学び”が苦手な人は、映画で楽しく感動的にいくのが良いかと。

セブン・イヤーズ・イン・チベット [DVD]
ブラット・ビッド主演。実話を基にした、ちょいと昔のおはなし。
チベタン(チベット人)文化の美しさ、清潔さ、高尚さが垣間見えます。
一方で、中国との複雑な関係等、歴史的な背景もざっくりわかります。
あと、やっぱりヒマラヤの壮大な景色が垣間見えるのも良い。








・高山病
たぶんナメてたらホント危険で、気をつけないとダメなのが、高山病。
ラサで約3700m、富士山の頂上とほぼ同じ高度です。
郊外に出ると5000m以上の所も多い。

5000mと言うと日本で一般的に見る「雲」と同じ高さ。
しかも、市内ですらポタラやジョカン(大昭寺)など、結構歩くし階段も昇る。
かなりの息切れをもよおすので、到着時点では平気な人も、そういった「運動」によりダウンしてしまう人もいると聞く。

多少の頭痛などであれば、ロキソニン
(アマゾンで購入可能)で耐えても良いが、もしなってしまったら旅行が台無しになるので、「薬に頼ってるなど生粋の旅人として情けない。男なら気力で乗り切れ」的に強がらず、現代医学の力を借りましょう。

内科に行って、高山病の薬下さい。といえばすぐくれます。
保険がきかないので、保険証不要です。5日分で3000円くらいだったかな。
ちなみに、高山病の薬として一般的なのはダイアモックスという名の薬です。

高山病の薬を処方してくれる病院リスト
http://www.jstm.gr.jp/tokyo.html

参考までに、当方は清澄白河のクリニックに行った。

清澄白河ファミリークリニック
http://www.ksf-clinic.jp/

出発当日にいきましたが、直前過ぎるだろと期待通りのツッコミを入れてくれたりして、なかなかフレンドリーでよかった。


・パーミットおよびツアーガイド
チベットに(公式に)入国するには、ツアーガイドを付けて、パーミットが要ります。
その2つを同一旅行社に頼むことがまぁ通常かと思うんですが、その旅行社選びは結構大事。
※パーミット関連は後述

どういったとこが良いかというと、やっぱりラサ現地旅行社や、チベットへの主要経由地(成都、重慶、昆明など)に拠点を置いててラサとのパイプが強い(現地旅行社との連携が取れる)とこが良い。
まちがっても日本の旅行社に頼まないように。
最悪パーミットが受け取れない可能性もあります。

重慶黄金假期国際旅行社
http://g-tabi.com/

朕は上記旅行社に頼みました。かなり正解でした。
現地に日本人スタッフがいて、パーミットを受け取る際にまったく受け取れずチベット行きが危うくなった時にも、そのスタッフが休日かつ早朝だったにもかかわらずプライベート電話で対応してくれて事なきを得ました。(後述)

深謝。

なお、肝心のお値段ですが、3泊4日の空港送迎、1日観光(ポタラ・ジョカン・バルコル)、ナムツォをプランして、パーミット+運転手ガイドつきで


4400元。


たかいですねー。ほんと。でも仕方ないですねー。
これでも複数社に見積もりをかけて、一番まともだった。
ひどいところなんて、ひどい日本語で8000元くらいを提示してきた。


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【2.宿泊&航空券】

・宿(ラサ市内)
以外にも、ラサには欧米資本の高級ホテル、結構入ってます。
なんかセントレジスとかありました。

セントレジス ラサ
http://www.starwoodhotels.com/stregis/property/overview/index.html?propertyID=3129

ラサ市内ですが、あまり安宿が無いです。
あるとすると、バルコル(八方街)近辺かな。老いのせいか、見つける根気と元気なく。

今回、ホテルは高めなりにもコストパフォーマンスが良さそうで、バルコルやジョカン寺(大昭寺)に歩いて10分程度と近く便利な

フォーポインツ・バイ・シェラトン・ラサ(拉薩福朋喜来登酒店)
http://www.starwoodhotels.com/fourpoints/property/overview/index.html?propertyID=3182 

強がって4ポインツといってますが、クラスは3ツ星です。
でも、ホテルのスタッフがフレンドリーで優しくて良い感じ。
4つ星でもぜんぜん通用すると思います。

無線LAN無料、朝食付きで8000円/泊くらい。
室内は清潔で整っており、セキュリティ的にも問題なさそう。
1Fでケーキや軽食・ドリンクを売ってたのでクッキーを食べてみたがなかなか美味。

ホテル出た道を挟んで向かいの売店(ミニマート的な感じ)で夕飯(カップラーメン)とラサビールを毎晩調達してました。









・飛行機(往・復)
シャングリラ(香格里拉)(DIG)から入り、成都(CTU)へぬけました。
いずれも中国東方航空で、予約は中国東方のHP(英語)から。

中国東方航空
http://www.chinaeastern-air.co.jp/


入出共に片道で15000円くらいだったかな。
web予約時にパーミット(後述)は不要でした。(空港チェックイン時は必要)

また、飛行機の座席はかなり重要です。絶対窓側です。
チェックイン時に絶対に指定しましょう。








なぜなら、東方面から入る場合は航路の南にヒマラヤ山脈、北には崑崙山脈が見えるから。
5000mの中層雲を軽々と突き出る7000m以上のヤツらは、まさに神々そのもの。

南のヒマラヤか北の崑崙か、好き好みは人それぞれかと。
個人的には初ヒマラヤ見たさに、行きはA席(進行方向左側窓)、帰りはI席(進行方向右側窓)









特に成都行きの眺望が素晴らしかった。外の景色をずっと眺めてられる。
今まで何回もあらゆる路線を乗ってきたが、これは良い。
一生に一度は乗りたい路線。

機内食は、まぁ普通。



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【3.入出国・ビザ関連】

・入・出域
パーミット様々、パーミットさえあれば特に問題なし。
チベット情勢をうけて厳重かなと思ったけど、全くの空振り。
とはいえ、僻地の飛行機や出国関連は時間的なリスクを伴うので、2時間半前くらいに空港に到着。特に、チベット入りの際はパーミット関連も何が起こるか分からないため慎重に空港に到着した。

結果こちらも空振り。時間が余り過ぎて1時間くらい空港のベンチで寝てた。


・ビザ
中国国内扱いなので、15日を超えなければ不要。ここんところ(のみ?)は中国領的扱いをしてくれてありがたや。


・パーミット
これが問題です。何がどう問題かは各種Googleさんに聞いてみてください。

TTPパーミットとか入境許可証とかいわれます。
これがないと、チベット入境の飛行機に乗れないことはおろか、現地でラサ近郊へ移動するのも無理です。
(結構きびしくなってる。以前無くても入ってしまえば余裕という話もあったが、2012年5月時点では無いと危ないかも)

なお、原則的にツアーでしか発行してもらえないが、個人旅行社3人を集めて、形式的にツアーという形にして(実質的には入出域もバラバラだし、出会うことは無い)発行してくれるところも多いので、個人でもOK。

日程に余裕があれば、事前に現地旅行社とコンタクトを取り発行を依頼したうえで、チベットへの主要経由地(成都、重慶、昆明など)で旅行社に寄って受け取るのが確実。


でも、朕は今回経由地で受け取れなかったので、入境する際の出発空港(シャングリラ)での受け取りでした。


これが大問題。
空港へ郵便で届けてくれたんですが、肝心の空港内の届いた場所が分からなかった。
誰に聞いても分からないし、旅行社の人に電話をかけて場所を教えてもらったけども、その場所が空港のターミナルからかなり離れた場所の入り組んだ場所にあったため、ぜんぜん分からない。

出発が朝早かったので、念のため前日に取りにいったが、結果的にそれがゆえに九死に一生を得た。
当日取りに行ってたら、たぶん出発時間までに受け取れずチベット入境はできなかっただろうと。

そして、現地(雲南省・麗江)で偶然にもプリペイドSIMを購入してたから旅行社の人に電話をかけれた。
しかも、休日かつ早朝にもかかわらず旅行社の日本人スタッフ(中国語堪能)が現地の人に連絡および場所を教えてくれたので、たどり着けた。

すべての要素が上手く重なって、かなり運がよかったと思う。
くれぐれも健全な旅行パーソンは、こんなリスキーな受け取り方をすべきではないと思う。

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【4.国内移動手段】

チベットでは基本的にガイドと運転手が付き添います。
チベットで何かしようと思うと、ガイドと運転手がマンマーク(監視?)です。

でも、なかなかフレンドリーな人も居て良いと思います。
存分にワガママを言ってもOK。

そして、わがままを言うと、午前中一通り観光した後に、自由行動させてくれる。

そんなときには、リキシャ。街中であれば5~10元でネゴれます。
個人的には若い衆より、ヨボヨボorヤク中のおじいちゃんが好き。
交渉がしやすく、身の危険もあまりなく、安い値段で行ってくれるから。


・通信事情
市内にあるCafeでWifiが使える店もありました。地球の歩き方参照下さい。

ちなみに、ここは中国圏内。Facebookなどのように見れないサイトが多いです。
googleの検索も使えなかったな・・・
Yahoo、gmail、google mapは使えたはず。


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【5.観光】






・ポタラ宮
チベットはポタラで始まりポタラで終わると個人的には思います。
ガイド必須。しかも時間制限がある(というか、各所に関門があり、時間通りに通過しないとだめというワガママっぷり。)
内部は神聖・荘厳という表現がぴったりの雰囲気。








思わせぶりに寝てるのか読経してるのか分からんけど注目されたがりの坊さんがいたりする。
階段がしんどい。

歴代のダライラマやパンチェンラマの部屋が各々あったり、像が色々あります。
ガイドの英語(日本語なら尚更だと思いますが)が良く分からない上に、第何世ってのが居過ぎて、誰が誰かカオスの状態でした。
だれか全体感を整理してください。


なお、ポタラは8時ちょっと前からライトアップされます。
暗くなりつつある濃紺の空とポタラの光り輝く赤・白が、まるでチベット旗そのものの色彩のように鮮やかです。






ポタラは基本的にどこからでも見えるので、撮影スポットは思い思いの場所で撮れば良いが、お勧めはポタラに向かって左の方、公園の先の道路沿いに、デカイ岩なのか小高い丘なのか良く分からん展望台がある。

そこの一番上まで登らずに、階段の途中で撮ると良いかと思われる。
ちなみに、たしか登るのに10元くらい取られたかも。あれはせこい。










・ジョカン寺(大昭寺)
文句なしによい。ほんと百聞は一見にしかず。必須。









・八廓街(バルコル)
大昭寺(ジョカン)の周りをぐるっと囲むチベット式歩行者天国です。






行き交う人々はみな、我こそはチベタン(チベット人)であると主張・自負しているかの如く、色とりどりのチベタン正装・チュパに身を包む。
手にはポンポン太鼓のような形で、回すとお経を読んだことにしてくれる「ポータブル読経しているつもりツール」、マニ・コロ。





その基本装備の上、バルコルを時計回りに一周するコルラをするのです。
それがチベタンの信仰であり、精神であり、日常。

意外でビックリしたのが電線が無い事。地中埋設らしい。文明の進化は取り入れているのだ。

ちなみに、コルラは、必ず時計回りですよ、時計回りでお願いします。
礼儀正しい旅人、現地の文化を尊重する旅人として、決して反時計回りに回るなどはしないでください。
それをしてるのは、中国軍および公安(警察)のみです。

中国軍と公安(警察)は、大抵は流れに逆らって反時計回りに歩いてます。
何かを押しのけ、侮辱するかのように。




・ナムツォ
絶対に行きたかった場所のひとつだったが、行く途中天候が悪くなりすぎて(吹雪)
道が通行止めになり、引き返したためいけず。





結局5時間くらいドライブしてただけの1日になってしまったが、その分ラサ郊外の原風景をもってして雪景色を見れてかなり良かった。
ラサ市内で雨or曇りっぽいときでも郊外に出ると雪の場合が多い。
そんな日は郊外に当ても無くつれてってもらうと良いかも。









・市街地・ブラブラポイント
バルコルの南(?)エリア、江蘇路側がカオスで面白い。






細い路地が続いており、なんかなぜかモスクとかもあって、ブラブラするには最適。
夜も意外と人通りが多く、街灯もついており、店も開いてたりするので、結構安心して歩けると思います。
夜はチベタン住宅に地味に光が当たり、空を見上げると月が綺麗に見えたりして意外と幻想的。







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【6.買い物】

・スーパーマーケット
北京東路をジョカンからポタラに行く途中、やや大きめの道との交差点の右斜め前にある(名前は忘れた)

結構キレイ。品数も豊富。お土産もここで買うと良い。
確か、●森格路との交差点だったはず(●は「架」みたいな漢字)
よく中国である分厚いビニールの「のれん」(赤色)から入る感じ。


・チベット系のお土産屋
バルコルは、どこも偽物です。
トルコ石など各種石や、クリスタル、金色のソーラーマニコロ(チベタンの車に必ず搭載されているやつ)
安く安ものを買うには良いですが、中国に良くある「どこの店も同じものを売ってる」というやつ。
そのうえ、人により値段が若干異なるから困ったもんです。

バルコル1周目で一通り相場を聞いて、2周目で買うのが良いかと。







個人的にはバルコルのポタラよりから北京東路に抜ける路(少し大きめの路)の左側にあるハンドメイド系の店が好きでした。
サンスクリット文字が書かれた本のしおりとかマニコロの小さいアクセサリなど売ってたり。

店の人も中国商人にしては珍しく優しい笑


・数珠
個人的には、お土産に最適かと思う。

「チベット仏教の聖地で手に入れた数珠」というとなんか神聖な気がする。

バルコルで売ってる安いボロいやつで良いと思う。
あと、サンスクリット文字が書かれているものが良いかと。


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【7.食事・酒】

・ヤク肉
臭い。ややまずいラムといった感じ。特に食べなくても良い。


・モモ
チベット風(ヤク肉)の水餃子or小籠包。まぁまぁいけるが、あえて食べなくても良い。
正統派水餃子or小籠包の方が格段に美味しい。


・ビール
ラサビール。チベットでの主食であった。朕の体の半分はビールでできている(あとの半分は、いうまでもなく優しさである)
高地なのに炭酸が抜けてるとかはあまりなく、かつ中国ビールなのになかなかシッカリしていて良い。でも高山病が怖いので、一日1本のみに控えめにした。


・ヤクバターティー
まずい。でもチベットに来たからには飲まないと。
スーパーにはインスタントの粉パックも売ってるが、お土産には不適。もの珍し系には良いかも。

レストランでのバターティー、デカデカと「コーヒー」と書かれたマグカップで出されたのには、ちょっとだけウケた。







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【8.夜遊び】

・公安や軍が怖かったので勇気出ず。また、聖地でする気にならず。
聞くところによると、何件かは置屋があるらしい。
チベタンが居る置屋は少ない。
たいがいは、ネパールか中国系。

詳しくはガイドに聞けば連れて行ってくれると思う。
サウナやKTVは不明。


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【9.番外】

・チベット仏教およびダライラマについて
※センシティブな話なので、事実および感想レベル(意見/言論ではない)で、旅行する上で予備知識としてあれば良いレベルで書きます。
論争や反論などは他サイト等でお願いします。

チベット仏教は、人として「こうあるべき」というのを特に高尚に示している宗教であり、それゆえ修行がかなり厳しいことで有名かと思います。

それを最も如実に示し、かつ体現しているのが、チベット仏教最高指導者、ダライ・ラマ14世。
現地のチベタンに聞いても、歴代のラマの中でもピカイチの人気を誇り、誰からも愛され崇拝される生ブッダ。

チベット仏教をはじめ、大乗仏教(インドやタイなど広く普及してるやつ)共通的に言えることですが、大乗の教えでは、ヒトとしての極地が6つあると言います。






「寛大さ」「慎み深さ」「中庸的な安定」「忍耐・不屈の努力」「道徳的な規律」「知恵」


ダライラマは、その全ての極地に達し、全ての人の優しさを凝結させたかのような、優しさ99.9%。優しさが半分しかないバファリンとは比べ物になりません。

迫害に近しい扱いで存在否定や侮辱をされ続けたにも関わらず、決して怒らず相手を尊重し、あくまで双方の合意を目指して中国政府と話し合いを持とうとする「中庸の姿勢」が、世界中から賞賛されノーベル平和賞に輝きました。

現地のチベタンの話では、彼が身をもって示すチベット仏教の高尚な精神は、どんなに迫害され抑圧され続けたとしても、「人としてのあるべき」として人々の心に響き、影響を与え、そして後世に受け継がれています。

現地では、現地のチベタンや観光地を通じて、是非ともそんな精神に触れるような旅ができれば良いかと思います。
ぜひとも楽しんでください。







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